元気のある青年


「最近日本の若者は元気がない」という評判ですが、今回はこのコメントを覆す一人の青年をご紹介します。彼と出会うことで私も私の家族も大きなインスピレーションをもらいましたので、読者の皆様にもお裾分けをしようと思います。

この青年の名前は成田大吾さんといいます。8月の中ごろアリゾナ州モニュメント・バレーの近くのコンビニでの出会いでした。娘のユキがネイティブ・インディアンの友人たちと様々な居留区に住むインディアンの青年たち向けに「有権者登録をしよう」とウェブサイトで呼び掛けるためのビデオをナバホ居留地で撮影する旅に「食料補給係り」として付合った帰り道でのことでした。(このビデオにアクセスするには、http://www.thenation.com/blog/169862/new-video-aims-mobilize-rural-native-youth-register-vote# へどうぞ)

冷たいジュースを買いにコンビニに入り買い物をして出てくるときに「これは日本人に違いない」と思う青年とすれ違いました。外に出ると、荷物でいっぱいの自転車が店の前に止めてあり、「え、自転車旅行してるのか」と驚きましたが、車の中で待っていたユキも「今日本人のお兄さんがいたでしょう?」と気がついていて、二人で話しかけてみることにしました。

言葉をかけてみるとはやり日本人でした。何とアラスカから南米のアルゼンチンの南端まで1年半位の予定で自転車で縦断するというのです。その後は、そこから南アフリカのケープタウンに船で渡りエジプトまで北上するという計画を聞いてあまりの壮大さに二度びっくり。後に彼がスコッツデールに到着してから話をきくと、計画は延々と続いていて、その後は一度日本に戻り、また旅支度をしてから今度はヨーロッパ、アジアを回る計画もあるのだそうです。今26歳の大吾さん、30歳までは旅を続け、その後は学校の教師になり、地理などを教え、野球のコーチになるというのが夢(計画)だということです。小さい頃から野球少年だったそうで、将来も野球と関わって生きて行きたいと語っていました。

一日60−70マイル走り、これまでの旅はアラスカ、カナダ、米国を回って3ヶ月半位でアリゾナに辿り着いたのです。1週間のスケジュールは、5日間自転車をこぎ続け、週末は2日間休むというペースです。ロッキー山脈も自転車で越え、イエローストーン国立公園、グランドキャニオンと名所めぐりも旅の途中でしてきました。ここまではほとんど持参のテントでキャンプサイトや道端の藪で野宿、そして食事は自炊というスタイルで旅を続けてきました。ガソリンの料理用ストーブ、料理用鍋、スリーピングバッグ、テント、自転車修理道具、部品、コンピュータ、衣類など全ての荷物と自転車の重さを合わせると、自分の体重とほぼ同じ。

モニュメントバレーでは、「フェニックス周辺に来たら声をかけてね、私たちの家に泊まってね」といってお別れしましたが、それから2週間くらいたった頃、彼はフラッグスタッフから景色抜群の87号線を下り、ペイソンの南サンフラワーから一気にスコッツデールの我が家にやってきました。70マイルはある距離です。

1週間のスコッツデール滞在中、自転車の整備、体調の調整、休憩と次のメキシコへの旅に備えました。この間大吾さんは、フェニックス市の植物園に出かけたり、ダイヤモンドバックスの試合を観戦したり、スコッツデール市マクドウェルマウンテンでのハイキングに出かけ、自転車のタイヤを交換し、自転車を全て分解して丁寧に手入れして、悪路になるかもしれないメキシコ国内の旅に備えました。

大学では「海洋資源開発」について学んだそうですが、卒業と同時に自転車店をチェーン展開している会社に入り、実際に店頭で自転車の修理などを徹底的に学び、自転車のプロになり、今回の旅の準備をしました。このように世界自転車旅行を計画すると同時に、技術的にも自立して自転車の管理ができるように全ての必要な知識と実技を身に付けました。夢を持った冒険家でありながら、かつ現実的、実践的な準備も怠らないというバランスには感心するばかりでした。

これからも大吾さんの旅路を彼のブログで追って行きたいと思っています。こんな元気でしかも堅実な日本の若者に出会ってとてもうれしく思いました。皆さんも大吾さんの旅の様子をお楽しみください。また激励のコメントなどどうぞ。ブログへのアクセスは http://big5traveler.blog.fc2.comへ。