クリスマス、冬休み、とホリデー・シーズンが近づいてきました。買い物に出かけたり、友人と会ったり、外出する機会もいつもより多くなることでしょう。今日は、未成年者の門限についてお話いたしましょう。
 この記事を書くために、フェニックス市付近の各都市における法律と実際の運用についてそれぞれの市の警察や裁判所、マリコパ郡の未成年者の非行・犯罪関係事件を担当する少年裁判所に問い合わせをしました。
親の束縛から離れる子供達
 フェニックス市付近に居住する家庭のお子さんたちは、普通は親が運転する自動車かスクールバスなどに乗って移動します。日本での生活とは異なって、子供たち同士でバスや電車に自由に乗車して遊びにいったり学校に通ったりということはアリゾナの生活の中ではあまりないことでしょう。「籠の鳥」のような生活を強いられる子供たち。小さくて自分の意思でどこにも行かれない時期は問題になりませんが、子供たちはあっという間に大きくなります。十二、十三才にもなればショッピングモールに友達と群れをなして出かけて行きます。映画を見たり、ウィンドウ・ショッピングをしたり、一時の自由を味わうことになります。もちろん、運転免許証もなく運転もできない彼らをショッピングモールに連れて行くのは両親です。みなさんの中にも、お子さんのためにショッピングモールへの送迎をなさった経験がある方も多いことでしょう。
 十四、十五才ともなれば、自分で何とか公共の交通機関を利用したり、自転車などを使ったりして、親の送迎なしにいろいろなところに出かけて行くようになるかもしれません。日本よりはるかに、子供たちの安全について不安が存在する米国のことです。家で待っている両親にとっては、子供が帰宅するまでは心配でたまらない経験をすることでしょう。夜遅く子供が帰宅するなどということも起こるかもしれません。現在のところ、十六才になれば運転免許も取れますから、自分で運転してどこにでも出かけて行ける可能性ができることになります。
子供の外出を法律で規制
 みなさんは、フェニックス市、スコッツデール市、テンピ市、メサ市、グレンデール市、チャンドラー市などの市条例で、未成年者のために門限(Curfew)が決まっていることをご存知ですか。ここでいう門限に関する「未成年者」というのは、通常十七才以下と定義されています。つまり、子供たちが十八才になると、これらの市の条例による門限が適用されなくなります。これらの市のほとんどで、十五才以下を一つのグループとして午後十時から翌朝五時までを親や保護者なしの外出を禁止する時間としています。十六才と十七才をもう一つ別のグループと規定しこちらは、午前○時(つまり真夜中の十二時)から翌朝五時までを親や保護者なしの外出を禁止する時間としています。それぞれの年齢グループの子供たちが、これらの外出禁止時間帯に両親や保護者なしで外出していて警察に発見されると、各市の条例が適用され補導されることになります。フェニックス市では「条例22ー3」が補導の根拠となる条例です。この条例には、両親または保護者は、未成年者がこの外出禁止時間帯に外出しないように監督する責任があり、子供たちがこの条例に違反し補導された場合には迎えにきて引き取るように定めています。
条例にも例外
 上記の外出禁止時間帯には、例外規定もあります。子供たちが親や保護者の許可を得た上で雇用先への行き帰りに警察の職務質問に会った場合には、その行き来が適正とみなされ親や保護者の許可があるということが判明すれば、補導されることはありません。またフットボール、バスケット・ボールその他のスポーツ・イベントや音楽会などの終了時間がCurfew時間帯に入ってしまう場合には、迅速に帰宅の途につく場合には適正な順路上にありイベント終了後適正な時間内であれば補導されないという例外もあるようです。例えば、イベント会場の駐車場で帰宅する途中の子供たちがCurfew時間を少し過ぎたという理由で補導されることはないようです。
子供の補導先は
 それでは、補導された子供たちはどうなるのでしょうか。フェニックス市の場合についてみてみましょう。警官に補導された子供たちは、まずそれぞれの所管の警察署に連れて行かれます。そこでいろいろな手続きをして両親や保護者に連絡をし一、二時間位を費やすことになります。両親や保護者が到着するまで、子供たちはフェニックス市北部サニースロープ・コミュニティ・センター(Sunnyslope Communitiry Center:802 E. Vogel Ave.)、フェニックス市南部のサウス・マウンテン・コミュニティ・センター(South Mountain Community Center:212 E.Alta Vista Rd.)、およびフェニックス市西部のデザート・マルチジェネレーショナル・センター(Desert Multigenerational Center:6501W. Virginia Ave.)などの三つのセンターで待つことになります。補導した警官は、手続きが終わるとまた街のパトロールに出て行きます。上記のセンターでは、子供たちはレクリエーションの施設や図書室を使用でき、専門家が指導に当たっています。ここでは、また子供たちに対してドラッグやアルコール飲酒の有無をチェックします。連絡を受けた両親や保護者が迎えにくることになります。
違反した子供たちの罰則
 市条例に違反して外出禁止時間帯に補導された子供たちへの罰則はどのようなものでしょうか。市条例に関する違反ですから、通常、子供と両親または保護者は市の裁判所への出頭を命じられます。条例違反をしたという記録が残り(交通違反の場合のように)、罰金を支払うことを命じられたり、コミュニティ・サービスをするよう(場合によってはそれらの両方)に命じられます。初めての違反の場合には、Curfew Diversion Programへの参加やコミュニティ・サービスをすることを命じられるのみの場合もあります。しかしCurfew違反を何回も繰り返すような場合は、さらにマリコパ郡の未成年者を扱う裁判所(Jevenile Court)への出頭を命じられ、通常の非行少年に対する処罰や更正の対象となることもあります。
 前記の各センターで両親や保護者に連絡を取った後、午前五時までに迎えに来ない場合には、フェニックス市の場合にはタンブルウィード・クライシスセンター(Tumbleweed Crisis Center)またはフェニックス・サウス・コミュニティ・メンタル・ヘルス・センター(Phoenix South Community Mental Health Center)などに連れて行かれることもあります。両親が旅行中など不在の時に子供たちが補導された時などには、このような状況が考えられます。
 上記の各市のCurfew条例は、時間帯や規定がほとんど同じですが、詳細については異なる部分もあります。ウィークエンドのCurfew時間帯が週日と異なる場合もあります。それぞれお住まいの自治体にお問い合わせください。フェニックス市の場合にはCurfew関連の質問は警察の262-7626へ連絡してください。Curfew Diversion Programは最初の違反者のためのプログラムですが、これに関する質問は、Recreation and Library Department 262-7370に連絡してください。
 それでは、みなさま楽しいホリデーをお過ごしください。