GMO関連商品


今回は、1月10日にSyngenta Pioneer-Dupont、Dow Chemical 系Agrigenetics, Inc.の3社がハワイ州カウアイ郡条例960に対して起こした連邦地裁訴訟についてお話しましょう。

2013年11月に成立し2014年8月に施行される予定になっている「条例960」は、農業従事者に対して自らが使用する殺虫剤やGMO(遺伝子操作された有機体・生物)について開示することを義務付け、また学校や老人施設などの近くで殺虫剤使用を禁じる条例ですが、これに反対する上記3社は「この条例は自らが企業スパイ行為、破壊行為、環境テロの対象となる可能性をもたらす」として条例そのものに反対しています。3社はカウアイ郡(島)において11,500エーカーをリースしてGMOを含むさまざまな植物を耕作しています。(ウオールストリート・ジャーナル紙2014年1月13日記事)

ウォールストリート・ジャーナル紙によると、地域の無農薬の農業に携わる人々はGMO種が彼らの農場に意図されずに侵入する可能性、地域住民は子供たちが上記の3社などによる殺虫剤の使用により健康被害を受けることを恐れて上記の条例成立のために運動しました(同上)。

3社は、「この条例は、恣意的にわれわれの産業を標的にして、ハワイ州諸群が管轄権を有しない活動を規制することにより、重荷となりかつ根拠のない制限を農業経営にもたらすものである。またこれらの活動はすでに連邦および州政府機関によって規制されている」と批判し条例は無効であると主張しています(同上)。上記の訴訟において、3社は条例960が無効であると訴え、自らが費やした弁護士費用についても、払い戻しを請求しています(同上)。モンサント社もこの訴訟に参加しています。

ハワイ群島においては上記のような条例がGMO作物や種の拡散に反対して次々に広まっています。2013年12月には、ハワイ郡(ビッグアイランド)において新たなGMO作物の耕作をほとんど全面的に禁止する条例が成立しました。

上記の条例に類似した、GMO作物についてラベル表示することを義務付けるための州法を成立させようという運動がカリフォルニア州やワシントン州でも推進されましたが、現在に至るまで州法として成立するに至っていません。

今後は、ハワイ州諸郡でみられたような地域住民の運動を母体とする比較的小さい単位の地域における郡の条例、市の条例などによりGMO作物やそれらと対になった殺虫剤の使用を禁止し、それぞれの地域の無農薬農業や伝統的種類を守ろうとする運動が拡散して行く可能性もみられ、今後の動きは注目に値するでしょう。

米国でもさまざまな世論調査の結果、GMO関連食品についてはきちんと表示して欲しいという意見が多数を占めています。最近の面白い動きとしては、General Mills社の有名なシリアルブランド「Chereeo」の非GMO版の販売が開始されたというニュースがあります。やはり、消費者の意見を完全に無視することはできない。。。というメーカー側の意識の変換の表れでしょうか。