Adam Walsh Child Protection and Safety Act of 2006の影響によるI-130手続きの変更


今回は2006年7月27日に成立した「Adam Walsh Child Protection and Safety Act (アダム・ウオルシュ児童保護および安全法:AWCPS法)(Public Law 109-248)」の規定の影響により、2007年1月から従来可能であった海外(米国)領事部における家族のために永住VISA(グリーンカード)申請手続きができなくなりました。
これまでは、日本の場合ですと、家族のためにグリーンカードを申請する米国市民は、日本に居住する場合はもちろん、米国に居住する場合でも日本の大使館領事部において申請手続きをすることができました。別の選択肢としては、米国内に入国してから「ステータスの変更」という手続きをとりグリーンカードを取得する方法もありましたが、実際的には日本の大使館領事部で行う手続きの方が時間的に相当短縮できるというメリットがあり、これまでにアリゾナでグリーンカードの取得のためのインタビューを長い間待つ方々に、「日本で手続きをされた方が早いですよ」をアドバイスしてきました。
今回のAWCPS法は、移民問題などを主な焦点とする法律ではなく、児童の国際間のトラフィッキング(人身売買など)、虐待などを行う者が簡単に児童を米国内に入国させないようにするという意図が主な目的でした。このため、国際養子手続きなども、児童の人身売買、売春などの可能性も含めてさらに厳密にチェックされることになりました。
この法律は、Immigration and Nationality Act (8 U.S.C. 1154(a)(1):移民および国籍法)を改正し家族のグリーンカードを申請する米国市民本人が受益者である児童になんらの危害ももたらす危険がないとホームランド・セキュリティ(祖国安全保障省)長官がその独自の裁量で判定した場合にのみ、家族呼び寄せグリーンカードの申請ができるものとしました。海外の領事部は国務省の管轄であるため、申請人の過去における犯罪記録確認のための情報へのアクセスがないため、このような判断を独自に行うことができないという理由で、領事部での家族呼び寄せグリーンカード申請手続きは中止されました。
AWCPS法の目的は、児童を性犯罪者から守ろうというもので性犯罪を3つのカテゴリーに区別し、「カテゴリー3」とされた者は3ヶ月ごとに住所を届け出けるように要求します。このような登録義務に違反すると、重犯罪となります。今回の法改正で拡張された全国的な登録簿に登録されたデータ(過去に性犯罪を犯した者の名前、住所、出生年月日、勤務先、写真など)は、インターネット上で調べることができるようになっています。この法律が成立した時点で、50万人くらいいる性犯罪履歴者のうち10万人が未登録で所在不明でした。
AWCPS法により、2007年1月からはこれまで比較的迅速に家族のために領事部でグリーンカード申請手続きができたのですが、少なくとも日本に関してはこれからは全ての申請が米国内のUSCISに対して行われることになりました。実際的な影響としては、手続き全体にかかる時間が相当に長引くことになるという予想となっていますのでご注意ください。