Adam Walsh Child Protection and Safety Act of 2006の影響によるI-130手続きの変更 (2)


USCISの「朝令暮改」:早くもI-130手続き一部変更

先月号でAdam Walsh Child Protection and Safety Act of 2006の影響によるI-130手続き変更についてお話しました。

「2006年7月27日に成立した「Adam Walsh Child Protection and Safety Act (アダム・ウオルシュ児童保護および安全法:AWCPS法)(Public Law 109-248)」の影響により、2007年1月から従来可能であった海外(米国)領事部における家族のための永住VISA(グリーンカード)申請手続きができなくなりました。」

先月号で上記のような改正を解説したばかりですが、3月26日付USCIS発行の「USCIS Update」によると、USCISの国際事務所がない国(日本もそのような国の一つ)においては、その国に6ヶ月以上居住する米国人(米国軍隊に属す米国市民も含む)に限り、再び当該国所在の米国大使館において自らの家族のためにI-130申請手続きができることになりました。少々複雑なので、復習してみましょう。

AWCPS法の成立以前には、申請対象の家族(配偶者、子供、親、養子など)が日本人の場合ですと、家族のためにグリーンカードを申請する米国市民は、日本に居住する場合はもちろん、米国に居住する場合でも日本の大使館領事部において申請手続きをすることができました。別の選択肢としては、米国内に入国してから「ステータスの変更」という手続きをとりグリーンカードを取得する方法もありましたが、実際的には日本の大使館領事部で行う手続きの方が時間的に相当短縮できるというメリットがあり、この法の成立による手続きの改定前はアリゾナでグリーンカード取得のためのインタビューを長い間待つ方々に、「日本で手続きをされた方が早いですよ」とアドバイスしてきました。

今回の変更は、AWCPS法の成立により一度変更された手続きの一部のみを元に戻したということになります。相当に手続きを限定するような変更でしたので、苦情などがたくさん寄せられ、一部元に戻したということも十分考えられます。いずれにしても、国務省とUSCIS間の調整が功を奏した結果でしょう。

AWCPS法成立後、一般的には、米国内に居住している米国市民が、例えば日本の東京にある米国大使館領事部において日本国籍の配偶者のためにI-130申請手続きをすることは原則としてできない制度になったわけですが、今回のUpdateを見ますと、そのようなケースでも人の生死、健康、安全に関わるような緊急な状況、国益、軍移動関連の必要性などに関するような場合は、当該国の領事館で例外的に「6ヶ月以上の当該国における居住」という条件を満たさなくてもI-130申請ができると書かれています。その他の米国市民で米国内に居住する者たちは、一時的に外国に旅行するような場合でも、配偶者のためのI-130申請は米国内で行うことになります。

H-1B Cap受付開始とほぼ同時に超過

2007年10月1日からの就業許可のためのH-1B申請は4月1日に受付開始となりましたが、上限が65,000であったの対し4月2日の時点でこのカテゴリーの申請書が15万通に達してしまったということです。受付開始後2日目に「締め切り」となりました。15万通の申請書の中から、「くじ引き」方式で幸運な者のみがH-1Bビザを受領することができ、その他の者たちは「骨折り損のくたびれ儲け」となります。更新申請者と米国の大学院を卒業した申請者用の2万はこのようなくじ引きの対象外です。

昨年度は、上限65,000を満たすにために2ヶ月かかったという実績と比較すると、今年度は極端に申請者数が増えたようです。このような状況に対して、マイクロソフトやインテルなどのハイテク会社は不満を表明し、H-1Bビザの総数を相当に増やすよう政治家たちに働きかけており、いくつかの改正法案が出ています。

ジョン・コーニン上院議員(共和党)は、米国で数学、科学、工学、技術分野の高等教育を受けた外国人に対しては上限を設けずビザを発行する法案を提出し、ルイス・グティエレス下議員(民主党)とジェフ・フレーク下院議員(共和党)は現在の65,000というH-1Bビザ数を115,000とする、しかも115,000という数が満たされた場合には、さらに180,000まで増やすという法案を提出しました。

これに対し、チャック・グラスリー上院議員(共和党)とディック・ダーバン上院議員(民主党)は、H-1Bビザの発行に先立ち、労働省を通して広告を出させるなど米国人の雇用を優先するための手続きを盛り込んだ法案を提出しました。

今後の成り行きが注目されます。