Community Legal Services

 

今回は、アリゾナ州内、特にフェニックス周辺で低所得者向けに無料法律サービスを提供しているCommunity Legal Services (CLS)についてお話しましょう。私のオフィスにもいろいろご相談をいただく中で、「困った問題を抱えているがお金は一銭もありません」というような方もあります。弁護士一人の零細法律事務所では、いわゆるPRO BONO(無料サービス提供)ができる範囲も限られてしまいます。特に多くの作業時間を要する家庭内暴力関連、離婚問題などは同時にいくつも無料サービスの事件を抱えることはできません。

しかし、支払するための収入や資産がないという理由で法律相談や、法律サービスを全く受けられないというのも大変困ったことです。アリゾナ州には、こうしたニーズに答えるために、CLSという組織が存在し、公的資金を得て法律相談や時によっては家族法関連では離婚裁判や未成年者の親権、養子縁組などにかかわる裁判や法的手続きの代理人も務めてくれます。1964年以来連邦政府は「法の下の平等」の原則に基づいてCLS運営のための資金援助をしてきました。今日では全米で3億2900万ドルの支援を提供していますが、これは必要額の約50%を満たし、残りの50%は州からの支援、法律家協会(BAR)による弁護士信託口座の利息寄付などで賄われています。上記の問題以外にも、ソーシャルセキュリティ、州関連の健康保険サービス、教育、雇用問題(未払い給与)、失業保険、フードスタンプ、不正ローン、保険、債務取り立て、住宅(Foreclosure、賃貸や売買差別、ホームレス問題、不法な立ち退き要求など)や、破産の問題についてもアドバイスをもらうことができます。

訴訟代理人サービスを受けるためには、依頼人が連邦政府の定めるPoverty Guideline(貧困ガイドライン)の額の125%以下であることが必要です。ご参考のために2009/2010年のガイドラインを見ますと、貧困レベルとされる額の125%とは単身の場合$13,538、4人家族で$27,563となっています。これらの額を超える世帯所得額の場合も、妻がDVなどの影響で自宅を出ており収入が皆無などという状況の場合には有資格者として認められる可能性もあるそうです。

このようなサービスを提供しているCLSはフェニックス周辺では下記の場所にあります。

Central Phoenix Office Tel 602-258-3434
305 S. Second Ave., Pheonix, AZ 85003

East Valley Office Tel 480-833-1442
20 W First St., Ste 101, Mesa, AZ 85201

この他、Mohave郡、Yavapai郡、Yuma郡にもオフィスがあります。

East Valley Officeでディレクターをしているサラ・アンジェラ・ヤングブラッド(Sarah Angela Youngblood)さんに登場してもらいましょう。サラさんは母上が日本人、父上がアイルランド、フランス、インディアンの血を受けた方で、日本から留学してきた母上と父上が大学で音楽を勉強していたころに出会って結婚したということです。以下はサラさんのインタビューです。

Q: 小さい頃はどんな子供でしたか?

A: お転婆でした。スポーツが大好きで野球、フットボール、水泳などに夢中になっていました。

Q: いつ弁護士になろうと思ったのですか?

A: 大学を卒業してからです。大学ではピアノを勉強していました。学業を支えるために大学のレストランで働いたり、施設保守部門で大工仕事や「なんでも修理屋」をしたりしていました。大工の腕前は相当なもので、自分で家も建てられますよ。今でも、家の中の雑多な修理は何でも自分でします。大学を卒業して1年音楽で食べて行こうと頑張ったのですが、とても大変でした。それで、弁護士になろうと考えたのです。大学もロースクールも両方アリゾナ大学(University of Arizona)に行きました。ロースクールでは、公民権運動や移民法関連の分野に興味を持ちましたが、家族法を勉強したときにこれだと思いました。在学中にPima郡の裁判所で働き実際の訴訟手順がどのように取り行われるか勉強しました。卒業後ツーソンからフェニックスに引っ越してDES(Department of Economic Security)に就職しました。6か月後、以前からぜひ訴訟を担当する弁護士になりたいと望んでいたので、CLSの仕事に就きました。

Q: なぜ大きな法律事務所の家族法担当弁護士になろうと思わなかったのですか?

A: 大きな法律事務所に入ったら、すぐに訴訟担当で法廷で活躍することはできないからです。私がしたかったのは、実際に法廷で訴訟を担当し、渡り合うことでした。今はオフィスの管理者としての機能も果たさなくてはならないので、実際に法廷に出て訴訟を担当する時間は少なくなりました。でも私が一番好きな仕事は実際に法廷で訴訟を担当することです。現在、私のオフィスは3人の弁護士、2人のパラリーガル、受付一人という体制で私はそのオフィスの責任者です。

Q: 相談してくる方たちの人数は相当数になると思います。その全ての方々の代理人として訴訟をすることは不可能と思いますが、実際に誰の事件についてCLSが訴訟をしてまで闘うかというのはどのようにして決めるのですか?

A: それはいつでも、オフィスの中で会議をして、どの事件を担当して訴訟するかということを決定しています。多くの事件が交渉して和解になります。トライアル(事実審理)まで行くのは少数です。事件の中でも最も極端なもの、未成年者や女性などが実際に生命の危険にさらされる可能性が大であるようなケースの場合に訴訟を担当することになることが多いです。

Q: 自分の仕事のどのようなところが好きですか?

A: 誰かのためになる、人々の生活を良い方向に向ける手助けができるというところです。時々悲しくなるのは、全ての人を助けることができないという事実です。

ありがとうございました。これからも良いお仕事をして沢山の人々を助けてください。

END

サラさんは、日本食大好き、フードブログサイト(http://foodjones2010.blogspot.com)も主催しており、時々私のオフィス兼ヨガスタジオにはるばるテンペから訪れ、YogaやMeditationの催しに参加します。スペイン語に堪能で、日本語も少し話します。