インターネット上の犯罪


今回はインターネット上の犯罪、厳密には犯罪にはならないが迷惑な行為などにお話してみましょう。私自身がオンラインバンキングのシステムとクレジットカードの組み合わせ詐欺の被害に会ったことは数回前に取り上げましたが、インターネットの便利さは裏返すと怖さにつながります。

インターネットのチャットなどでは簡単に知らない人でも仲の良い友人になったような錯覚に陥ります。気が付かないうちに必要以上の情報(年齢、趣味、住所、学校など)を相手に与えてしまい、インターネット上でサイバー・ストーカーに付け回されたり、インターネット上でのストーキング行為がオフラインになり、実際の住居や勤務先、学校などに本物のストーカーが現れたなどという怖い話もあるようです。

未成年者に対し同年輩を装って誘い出し誘拐に至るというような例もあり、「若者を装った中年男性が未成年者を装って誘惑にのったふりをした捜査当局協力者の誘いにのってテレビ番組のカメラマンの前に現れる」(後に出口で待機していた警察当局に逮捕される)などという画面をご覧になった方もあるでしょう。未成年者が被害に会った場合には、立派な犯罪ですから、警察も犯人を逮捕し未成年者を保護しようと努力してくれます。

しかし、インターネット上で被害に会うのは未成年者ばかりではありません。チャットの過程で関係(チャットのみの関係のはずが)が悪化して誹謗中傷が拡大し相手の悪口を真偽にかかわらず公開情報として撒き散らすなどという例も多々あるようです。最近知り合いから聞いた話では、航空会社の搭乗員(女性)が乗客とデートする関係になり、別れた途端に相手のプライベートな情報・中傷をウェブサイト経由で世界的かつ大々的に公開し、本人がそれを見た友人から警告されたなどという話もありました。この場合には、航空会社の人間がフライトに関わる情報(乗客情報)の秘密保持義務に違反したという法律上の問題でもあります。厳密には犯罪ではなくても、他人には見られたくないヌードの写真などをウェブサイトに無断で掲載されたなどという例もあります。

インターネットという意識的に無名性を保持しようとすれば可能な世界で、このような被害にあったら、どのような対処方法があるのでしょうか?世界中の人が見ることができるウェブサイトに誹謗中傷となる内容の個人情報などを掲載されればビジネス上、職業上、学業上支障をきたしたり、時によっては解雇、客離れ、業績の悪化、破産、離婚など個人の人生に大きな被害をもたらす結果になることもあるでしょう。このような無名性の蓑に隠れた加害者によるプライバシーの蹂躙、言葉の暴力、脅迫などを止めさせるにはどのような手段があるのでしょうか?

相手を困らせたり、苦しめたり、復讐すること、お金儲けの手段として、また性的好奇心や犯罪計画達成のために上記のような行為を行う者たちであれば、相手に対して抗議の手紙を電子メールで送ってもほとんど効果がないでしょう。自分のしたことが相手を苦しめていると知れば知るほどますます、嫌がらせ的行為はエスカレートする場合もあるようです。実際に、eBayなどの「嫌がらせ対処についての注意」などを読むと嫌がらせをしている本人と直接メールのやり取りをしたり、本人に対して抗議の手紙を書いたり相手とのコミュニケーションを行うことは避けるようにとアドバイスしています。

未成年が関わる犯罪であれば、警察や検察、FBI当局などに通知することが効果的でしょう。未成年が関わらず、犯罪性が明確でない場合、嫌がらせ程度では捜査当局が相手にしてくれない場合もあるでしょう。そのような場合は、上記eBayなども、嫌がらせの現場となるそのようなチャットルームなどを主催しているサイト、ウェブホストの会社、インターネットサービス提供会社(ISP)などに嫌がらせなどを行っている者について通知してそのような行為を止めさせてもらうか、除名してもらいそのサイトやプロバイダーのサービスが使用できないようにすることを勧告しています。同時に、被害者の側でも嫌がらせなどに遭遇したサイトやチャットルームなどの使用を一端中止し、IDやその他を完全に変更した後に活動を再開するよう勧めています。

単なる嫌がらせではなくより大きな被害をもたらす、例えば名誉を毀損するようなプライベート情報を公開されたり、騙されて写真をアダルトサイトなどに商業的な目的で掲載されたというような場合は、相手の住所や明確な情報が調べられない場合でも、ウェブホストの会社、ウェブサイト登録代行会社などに対して抗議の手紙を送り(訴訟を起こすという脅しを伴った弁護士の手紙などが有効でしょう)「即時、写真、偽情報などの掲載を中止するよう」要求すべきでしょう。
このような手紙を受け取ると、面倒を嫌うウェブホスト会社などが問題のウェブサイトを除去するという措置をとる場合も多いようです。

サイバーストーキングなどの場合は、さらに問題は複雑です。インターネット上でストーキングされるだけでも気分が悪くなると思いますが、そのストーカーが実際に物理的に自宅にまで押しかけてストーキングするという結果になれば、バーチャルな世界から現実の世界に恐怖が移行し、実際に身体的・精神的危害を受ける可能性が高まります。FBIのサイトには、失恋した男性が相手の女性の名を騙って「私は強姦願望あり」という情報を流してしまい、その女性の自宅にはドアをノックしてその「広告」に応えた男性たちが現れたという怖い話が掲載されていました。もちろんそのような「広告」をウェブ上に出した男性は犯罪者として逮捕されましたが。

盗み取られ悪用されるのは、クレジットカード情報のみではありません。みなさま、インターネットをご使用の際は、プライベートな情報を十分保護し、被害に出会わないようにご注意ください。