リカーランセンス取得条件について

最近9.11以降さまざまな法律の実際の条文が変更になった例について見聞きすると同時に、法律そのものは変更されていないがその「運用」が変更された場合という例に出くわすことも多くなってきました。最近経験した一例をご披露いたしましょう。
皆様の中には現在すでに日本食レストランやコンビニエンス・ストアを経営されていたり、またそのようなビジネスを将来経営することを考えていらっしゃる方もあるでしょう。このようなビジネスには、お酒をサービスの一部として提供したり、実際に店で販売したりする必要上、リカーライセンスを取得することが必要になります。
9.11以降外国からの資金の流入または外国への資金の流出の管理をより厳格にしようという連邦政府の意向から(テロリストに資金が渡ることを回避しようという努力の一環)、リカーライセンスの取得の条件がより厳しくなりました。(何故リカーライセンスの取得とテロリストへの資金提供が関係するのかという基本的質問は、残念ながら回答のない質問となります。???)リカーライセンスの申請者は、指紋を提出することを義務付けられています。そして、指紋の提出にはソーシャルセキュリティ番号が必須条件となります。つまり、ソーシャルセキュリティ番号を持たない人は、リカーライセンス申請目的で警察等による指紋採取をしてもらうことができないのです。つまり市民、永住許可者、L-1A保持者その他ソーシャルセキュリティ番号を既に入手済みの人でないとリカーライセンスが取得できないということになります。
さらに面倒なことに、会社組織になっている場合、会社の株式また所有権の10パーセント以上を保有する者について同様に指紋を提出する義務が新たに追加されました。つまり、日本に居住する者、米国に滞在するがソーシャルセキュリティ番号を保持しない者が会社の株式の10パーセント以上を保有する場合、この会社は株式または所有権の10パーセント以上を保有する者の指紋を提出しない限りリカーライセンスが取得できないという条件に制約されることになります。ソーシャルセキュリティ番号がないと指紋が取得できず、指紋を提出しない限りリカーライセンスが取得できない、そしてソーシャルセキュリティ番号は合法的に永住許可、その他のヴィザを取得して米国に滞在する者か、または米国市民でないと取得できない。まさにCATCH-22となってしまいます。一般的に外国人にもビジネス開業を開放的に許してきた米国の基本政策に大きな変化がもたらされたと言っても大袈裟ではないでしょう。
このような状況を即時打開するためには、「ソーシャルセキュリティ番号を保持しない者が10パーセント以上の株式または所有権を有する」という状態を変更しなければなりません。つまり、このような者が15パーセントの株式または所有権を有していた場合、この割合を9.99パーセント以下にする必要があります。会社の株主の持ち株比率または所有比率を変更することは、会社の定款を変更し、CORPORATION COMMISSIONに届出を行い、会社内部の業務協定などを変更すればよいので比較的簡単にできますが、多少時間と費用がかかり、面倒なことではあります。


移民法関連事項
9.11以降移民法またはその運用に関してさまざまな変更がありました。最近の例では、L-1Aなど以前は取得の条件としての面接が免除されていた種類のヴィザ取得に関しても、全て東京の米国大使館領事部における面接を必要とするようになりました。申請者にとっては、また一つ負担が増えたことになります。
東京の米国大使館領事部からの最新情報によりますと、米国市民との結婚などによる配偶者の永住許可(グリーンカード)申請に関して、この手続きを東京の領事館で開始する場合、最初にI-130などの申請書を受付してもらう段階で、これまでは「XX曜日のXX時からXX時までの間に領事部に出向いて申請書を提出する」という条件であったものが、「XX曜日のXX時からXX時までの間に申請書提出のための面接を設定・予約してから出頭すること」という条件に変更されています。つまり、現時点で配偶者の永住許可(グリーンカード)申請を行いたい場合、これまでのように「XX曜日のXX時からXX時までの間」に東京の米国大使館領事部に申請書を提出しに出向くことができるように日本に滞在する日程を事前に米国内で組むだけでは不十分であり、そのような旅程を立てる前に領事部のWEBSITEにアクセスして「予約日時を設定してから」その日時に合わせて米国市民である申請者(PETITIONER)が来日する必要があるということです。「ますます面倒なことになったものだ」というのが正直な感想ですが、「泣く子と地頭には勝てぬ」という諺とおり、お上に米国滞在許可を申請するという「弱い立場」の人々にとっては、最新情報を頼りに巧みに戦略を立て、地道に一つ一つ実行して「幸運を祈る」という他、手の打ちようもないようです。しかし、米国内でSTATUSの変更を申請するよりは、やはり東京で永住許可を申請する方がはるかに迅速であることには変わりはありませんので、配偶者の永住権申請をこれから行う方々、大変ですが頑張ってください。
これからアリゾナは猛暑の季節となります。夏ばてなどなさいませんように、くれぐれもお気をつけください。