2003年5月
今回は、グリーンカード(正式な名称は、I-551 Alien Registration Receipt Cards)の期間更新というトピックでお話しましょう。皆様の中には米国居住が長くグリーンカードを持っていらっしゃる方も多いことと思います。グリーンカードが証明する米国滞在(居住)許可そのものには理論的に期限というのは特に設定されておりませんが、そのような「許可された状態」を証明するグリーンカード自体には期限が設定してあり、カードそのものに有効期限切れの日付が記載されています。ほとんどのグリーンカードの場合(結婚直後の条件付きグリーンカードの期間などを除き)、10年間という期限がついています。グリーンカードをお持ちの方は、早速有効期間をお調べください。期限切れが近づいていれば、有効期間が終わる日から遡って6ヶ月前から更新の受け付けをしています。
グリーンカードを持ちながら米国で生活している者の中には、市民権の申請を望む者もあるでしょう。しかしその場合も、市民権を申請している間違法滞在となっては困りますから、グリーンカードの申請と前後して、すぐに市民権を得る過程を開始することをお勧めします。期限切れが近づいたグリーンカードは、そのまま裏にステッカーを貼ることで1年間有効期間が延びます。この延長期限中、グリーンカードの保持者は、再入国許可を取らずに外国に出て、また米国に帰国することもできます。このおそらくこの延長期間中、BCISが承認した場合、更に10年間の有効期間がついたグリーンカードの更新版も届くことでしょう。
さて、皆様は2003年3月1日から米国の移民局(Immigration and Naturalization Service (INS) )がDepartment of Homeland Securityの傘下であるBureau of Citizenship and Immigraiton Services(BCIS)という名称に変わったことをご存知でしょうか。ウェブサイトも名称変更になっています。名称は変更になりましたが、サービスの内容、電話番号や住所などは従来通りの場合が多く、申請書などもそのままINSの名称入りのものを使用しています。
グリーンカードの期間更新はどのような場合に必要になるのでしょうか。勿論手元にあるグリーンカードの10年間の有効期限が終了しようとしている場合には更新申請が必要です(1979年から1988年の間にグリーンカードを付与された場合は、これらのカードには有効期限がありません)。永住許可を得て米国内で居住していて14歳に達した者も新たにグリーンカードを更新申請する必要があります。グリーンカードの記載事項に誤りがある場合や、グリーンカードを紛失してしまった場合なども同様です。結婚その他の理由で名前や苗字が変わった場合なども更新が必要です。
期限切れが近づいたグリーンカードをお持ちの方は、至急I-90というグリーンカード更新申請書に必要事項を書き込み、BCISのApplication Service Centerに提出します。フェニックス周辺ではこのASCは、2545 East Thomas Road, Phoenix, AZ 85016にあります。簡素ではありますが、モダンなオフィスビルであり、大変効率的に事務処理をしてくれます。必要書類(I-90、小切手(Application Fee130ドル)、期限切れをが近づいたかまたは過ぎてしまったグリーンカード(期限が切れてしまった場合も、ご心配は無用です。特に罰則は規程されておりません)のコピー(裏、表)、IDとなる書類の裏と表2枚のカラー写真、IDとなる書類を揃えて持って行くと、混み合っていない場合は15分くらいで全ての手続きが終了します。フェニックスのダウンタウンのかつてのINSの建物の前にいつも人々が群がっていたのを目撃した経験がおありの方も多いことでしょう。同じような混雑を予想してこのASCに出かけて行く人々は、全く行列がないことをみて驚くと同時にほっとするでしょう。しかし、ASCで取り扱う仕事は、有効期限が切れたグリーンカードを更新する場合のみであることにご注意ください。
皆様、ご自分がお持ちのグリーンカードの数字を確認し、迅速かつ適正な行動を取ってください。